2020年というトシが終わり…

ここ数年,ほぼ年末年始にしか更新しないブログになってしまいましたが(^ ^;),今年は公私ともに「大激流」(?)な一年だったので,大晦日にもろもろの所感を記したいと思います。

まずは何と言っても新型コロナウイルスの世界的な流行と働き方の劇的な変化…コレにつきますね。去年の今頃は,「中国で新型ウイルスが流行しはじめている」といったニュースを,ある意味対岸の火事的な気分で聞いていたものですが,一年でまさかここまで世界的に流行し,オリンピックの延期を含め,各所に多大な影響を及ぼすことになるとは,正直思いもしませんでした。また,4月から5月にかけての緊急事態宣言で街から一瞬人が消えてしまったことや,テレワークの半ば強制的な導入に伴う働き方の見直し等,本来もっとゆるやかなペースで移りゆくものだと思っていたものが,盆をひっくり返したかのようにある日突然変わってしまうとは,年始には想像できませんでしたね…。

そんな最中,私自身にも大きな「うねり」が…。昨年末より地元福岡へのUターン活動を進めていたところ,某FinTech企業への転職が決まり,6月から新天地へ移ることになりました。福岡(市内)でのデータサイエンティストの求人は,東京や大阪と比べると極端に少ないため,はたしてちょうどよいポストがあるのかな…と半分恐々(?)としてましたが,運よく最初にたどり着いた会社で,これまでのデータサイエンスに関する取り組みを評価していただき,入社へ至った次第です。社会人になってから約16年間,兵庫県の山奥の某研究施設で一貫してWebシステムの開発・運用業務と付随するデータ分析業務に携わってきた経歴ゆえ,民間でのビジネス経験がないことや,データサイエンスに関するウエイトは業務全体の2割程度(メインはSE的なシゴト)だった点が先方にどう受け取られるか,という点は気になっていましたが,自分の強み(データサイエンスに関する研究実績と経験)・弱みとその改善策について面接の際に具体的に説明することで,先方にも納得していただけたようでした。

新しい職場は,職種もワークスタイルも180度異なるため,最初の1〜2ヵ月は飛び交う業界用語もよく分からず,だいぶん戸惑いましたが,3ヵ月ぐらい経つとシゴトの回し方も大体理解できるようになり,半年以上経った今では,キャリア採用者としての一応のプレゼンス(?)は示せるようになったかな,と。逆に,データ分析一本槍でキャリアを重ねなかったことがプラスに働くこともあり,例えばシステム構築のノウハウを活かして,分析環境のインフラ面の改善などにも取り組んでいたりします。また,巷でよくいわれる「立場が変わると見える景色が変わる」とは言い得て妙で,同じ社内で働いているシステム部隊が日々の運用に腐心しているのを見るにつけ,つい先日まで自分もそんな立場だったなぁ…と,相手の胃のキリキリ具合を遠目に察したりも…(立場は違えど,できる範囲でサポートはしています)。

非常事態宣言が出ている最中に引越ができるのか不安でしたが,何とか目処が立ち,5月後半には16年住んでいた関西(姫路)に別れを告げ,九州へ。進む道がUターンとはいえ,住み慣れた土地を去るのは,それはそれでさみしくもあり,戻ってきてからしばらくは「逆ホームシック」のようなものを感じていました(^ ^;)。彼の地には知り合いも多いので,コロナウイルスの流行が落ちついたら,また訪ねようと思っています。

そうそう。詳細は後日別エントリに書きますが,7月には眼内コンタクトレンズ(ICL)の埋め込み手術を受け,30年ぶりにメガネ・コンタクトいらずの生活になったのも,自分の中では特出すべき出来事でしたね。朝起きたら,そのまま「見える」のがこんなに素晴らしいことなのか,と最初は感動しましたが,1ヵ月も経つとこれが当たり前に思えてしまうのも,我ながらゲンキンだな,と(^ ^;;)。

…というわけで,コロナ禍の最中,SEからデータサイエンティストに「ジョブチェンジ」し,住処も生活も何から何まで変わってしまった2020年でした。来年は,遅き「ハル」にむけて行動すべし,ですかね(苦笑)。

2020年自腹購入ガジェットれびゅー

毎年恒例(?!),今年買ったガジェット関係の散財れびゅーを行いまする〜。

Apple iPad Pro 12.9インチ(第3世代)+Apple Pencil(第2世代)+ Smart Keyboard:1月

初売り限定のApple Storeギフトカード還元に引かれて,年始早々買ってしまった一品。いやー,キーボードやらペンシルやらつけると,結構な金額(MacBook Proの中位モデルが買えるぐらい)になりましたね。おまけに,3月には値下げした第4世代が発売される憂き目(?)を見ましたが,主に大型本の読書端末として活用しています。
ちなみにケースは,Amazonで売られている「i-Blason iPad Pro 12.9 ケース」という,Smart KeyboardとApple Pencilを同時に収納できるなかなかのスグレモノです。

買って良かった度:90点

Anker PowerPort Atom III 63W Slim:2月

USB PDに対応したGaN充電器。薄型軽量で,2ポートのUSB-C・USB-Aが使えるのは旅行時にとても便利。ただ,USB-Cは合計45Wまでしか給電されないので,商品名の63Wというのはちょっと紛らわしいかなーと(USB-A側の18Wとあわせて,63Wという意味らしいけど)。

買って良かった度:90点

Apple iPhone XS:2月

特段不満なくiPhone 7を使ってきたものの,ハード的にはぼちぼちガタが来ていたので,そろそろ機種変しようと思っていたものの,iPhone X以降,価格帯が跳ね上がってなかなか乗り換えにくい状況が続いてました。そんな最中,2月に入ってから2018年モデルのiPhone XSが突然4万ほど値下げになったので,思わずポチッとなしてしまった次第。
個人的にははじめての有機ELスマホだったケド,iPhone 7の時点でディスプレイ品質にはほぼ満足していたためそれほど感動はなく,淡々と使い始めた感じでしょーか。ホームボタンがないのはすぐ慣れたものの,肝心のFace IDがマスク装着デフォのこのご時世に微妙にマッチしていないのだよね…。

買って良かった度:90点

DJI Osmo Mobile 3:2月

スマートフォン用ジンバル。2017年に購入した初代Osmo Mobileからだいぶん軽量化したとのことで、遅ればせながら入手しました。収納時にどうやって折り畳めばよいのか分からなくなることはあるもの,使い勝手はわるくなく,軽くなった分,たしかに手が疲れにくくなったような気が。ただ,惜しむらくは…ジンバルのせいではないのだけど,旅へ行きにくい状況になってしまったため,今のところなかなか活躍の場がないこと,かな。

買って良かった度:90点

Intel NUC BXNUC10I7FNH:4月

6月から転職することが決まり,次の職場はWindowsメインということなので,マカーのワタクシとしても勘を取り戻す必要があると口実を見つけ判断し,Intel製小型PCこと“NUC”の第10世代Core i7-10710Uプロセッサ搭載ベアボーンモデルを調達しました。メモリ・ストレージ・OSを別に用意する必要があるので,トータルではそこそこ出費はかさみますが,起動は速いし,比較的静かで場所とらずなので,ゲームをしなければ快適に使えますね(VESAマウントを使ってディスプレイに取り付けることもできるし)。

買って良かった度:100点

Apple Mac mini(2018)+Satechi Type-C アルミニウム スタンド:5月

地元の福岡へ戻ることが決まり,実家も「超」近くなったため,MacBook Proを抱えて移動することもなくなると考え,久しぶりに据え置き機へ乗り換えました(2018年モデルのMacBook Pro 15.4インチは下取りへ)。
奮発して特盛り(64GBメモリ,2TB SSD,10GBASE-T Ethernet)にして現在の主力機として使っておりマス。速度的な部分で不満を感じることはないものの,今年11月に発売されたARMベースのM1 Macと比べると,よー発熱しますわ。ファンも頻繁に回るし。

買って良かった度:95点

Apple MacBook Air(Retina, 13-inch, 2019):7月

T2セキュリティチップを搭載した最近のMacは,システムが破損して起動しなくなった場合に,別のMacを繋いでリカバリする必要があるため,メンテナンス用&外部作業用に購入した一台。国際会議やD論執筆等で活躍した後,戦線離脱したMacBook(Retina, 12-inch, 2017)と比べると,だいぶん速いですねー。スピーカーも予想以上にいい音出すし。とはいえ,11月に発売されたM1 Macのコスパが相当イイとのハナシを聞くにつれ,ちょっと買う時期を間違えたかな,と思わなくもなかったり…。さすがに今年はPCに散財しすぎましたな(^ ^;)

買って良かった度:85点

PowerColor Mini Pro:7月

Mac miniのグラフィック性能が統合GPUだけあってそれなりの性能しかでないこともあり,動画編集がちとキツいな,ということで急きょ調達したeGPU。RX570という時点で,ハイエンド指向の諸兄には「何,今さら」と思われるかも知れませヌが,筐体のサイズ感や消費電力等を勘案して,セレクトしました。Thunderbolt 3経由で接続すると,たしかにGPU処理が劇的に速くなりますね。ただ,効果大ではあるものの,ファンがそれなりの騒音を出しますな。エアコンを入れている時期なら気にならないけど…。

買って良かった度:85点

Fuji X-T4:7月

2018年に前モデルのX-T3を買ったばかりですが,X-T4はボディ内手ぶれ補正機構内蔵と聞き,気がついたらポチッとなしてしまった次第…。X-T3は下取りに出したので,差額での購入に。
画像エンジンやセンサーはX-T3と同じなので,画質はほぼ変わらないものの,夜間の撮影時に手ブレしにくくなったのは◎。特に,フジの単焦点レンズはレンズ内手ブレ補正機構がないものが多いので,効果抜群ですね。ただ,ボディがまあまあ重いかな,と。また,10月には軽量かつ廉価なX-S10というモデルが出たのがまた悩ましくてね(苦笑)。

買って良かった度:90点

Rakuten Mini + Rakuten UN-LIMIT:9月

1年間通信料無料のキャンペーンを張っている楽天モバイルのオリジナル端末のRakuten miniが1円でばらまかれて販売されていたので,モノは試しで申し込んでみました。が,7月に申し込んで,端末が届いたのは9月。ちーと時間がかかりすぎでは。端末自体はそつなくできているものの,さすがに小さすぎて文字を打つのはキビシイものがありますね。あと,auのローミングではなく,楽天の電波を拾うエリアの狭いこと。こんな調子で5Gへの移行がスムーズに進むんでしょうかね?!

買って良かった度:80点

CASIO 関数電卓 FX-JP900:10月

大学時代から20年以上使ってきたfx-992sという関数電卓の液晶がいよいよ表示されなくなったため,同じカシオ製の最新モデルに買い換えました。液晶がもはや7セグメントではなくドットマトリクスなので,数学記号や行列等も見た目通りに表示できるのは○な一方,個々の数字の視認性はやや落ちるかな,と。多機能ゆえすべては使いこなしていませんが,電卓としては超優秀ですな。惜しむらくは,ボディが大きすぎるのと,フタを背面につけてキーを押しているとカタカタ揺れてしまうことかな。

買って良かった度:90点

HP OfficeJet 200 Mobile インクジェットプリンタ:11月

昨年,レーザー複合機を購入した後,年賀状を印刷したところ,紙が詰まりまくって大苦戦したため,今年の「年賀状」専用プリンタとしてやむなく購入した一品…という位置付けだったものの,ところがどっこい予想以上に使い勝手のよい製品でした。別売りのバッテリーをつけると,完全にワイヤレスで印刷できるのがこんなに便利だとは思わなかったね。例によってインクがやたらと高いのが難点ではあるものの,ヘッドと一体型なので,毎年交換すればインク詰まりを考えなくていいのはヨイですな。

買って良かった度:100点

DJI POCKET 2 Creator コンボ:11月

昨年購入したOsmo Pocketの後継モデル。前モデルは荒削りながら,4K動画がジンバル制御で撮れるというスグレモノでしたが,本モデルは撮影時間<以外>の弱点をことごとく潰してきて完成度をさらに向上させてますね。レンズが広角寄りになり撮影しやすくなったのに加え,マイク性能も大幅向上。さらに拡張ボックスを取り付けると,三脚穴やワイヤレスマイクが使えるようになったりと至れり尽くせりですな。本来であれば,国内のメーカーにこういう製品を作って欲しかったね…。

買って良かった度:95点

Apple HomePod mini:11月

スマートスピーカー“HomePod”の弟分となる小型ワイヤレススピーカー。HomePodはさすがに高すぎた(3万6千円)ので買う気にならなかったけれど,コチラは1台1万ちょいで,試しやすい価格帯ということもあり,2台買ってステレオ構成にしてみました。いやー,この値段でこれだけ音が出れば◎だな,と。コンピュテーショナルオーディオという考えで,どこに置いても最適な音場が出るように設計されているらしく,確かに(オーディオマニアではない)私にとっては充分すぎるスピーカーです。音声入出力端子がないため,AirPlay経由でしか再生できないのが残念ではあるものの,ある意味バーゲンセールだと思いますよ,コレは。

買って良かった度:100点

任天堂 ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ:12月

スーパーマリオ35周年ということで企画された期間限定製品こと「ゲーム&ウオッチ スーパーマリオブラザーズ」を買ってみました。実は,ジブンはゲーム&ウォッチの世代とは微妙にずれているものの(どちらかというとGB世代),スーパーマリオは実機でプレイした世代なので,メモリアル的に手に入れた次第です。価格が価格なのでそれほど期待していなかったものの,液晶の発色は充分で音もよく出る。時計機能はそこそこ実用的で,マリオ1・2も普通にプレイできますね。惜しむらくは,3まで入っていればだいぶん遊べたのだけど,さすがにそこまでするとコストに跳ね返ってしまうのでしょうね。

買って良かった度:90点

新しいワーキングチェアを買ったの巻

イトーキ製の「スピーナ」というワーキングチェアを9年近く愛用してきたのですが(前回記事),最近ロッキング機構の調子がだんだんわるくなってきたため,替えの椅子を探していたところ,同じメーカーの「FLIP FLAP」(フリップフラップ)というチェアが目に止まり,試座もせず思わず買ってしまいました。いやー,「新しい生活様式」のご時世,在宅勤務の頻度も増えてきているので,長時間座っていても疲れない椅子は重要なんですよ〜(とジブンでジブンを納得させる^ ^;)。

今回は,Kagg.jpという通販サイトで購入。納期は,1〜2ヵ月とのことでしたが,8月19日に注文して9月8日に納品という,この手の商品にしてはスムーズな出荷でしたね。ただし,納品は平日昼間のみで立ち会いが必要(宅配便ではなく,専門業者が配送)。まー,本来のターゲットは法人やSOHO関係だろうから,時間帯はさして問題にならないだろうけれど,私のような普段平日昼間はオフィスへ出ずっぱりなリーマンだと日程調整に少し難儀するかな(配送日を在宅勤務日に合わせればいいのだけど)。

今回は,以下の構成にしました。布地のカラバリは結構あります(12種類)。

  • 背カラー:ネイビーブルー
  • 座カラー :ネイビーブルー
  • 背:エクストラハイバック
  • 肘:アジャスタブル肘
  • 本体カラー:ホワイト
  • 脚カラー:アルミカラー
  • ランバーサポート:有
  • ハンガー:無
  • キャスター:ウレタンキャスター

…で,届いたブツがコレ。開封とヘッドレストの取付等は,すべて配送業者さんがやってくれました。巨大なダンボールを回収してくれたのも助かりましたね(前回は処分に少々苦労したので^ ^;)。

いやー,リクライニング(ロッキング)がよく効く。倒しきった後に,さらに背骨上部の背もたれがもう一段折れ,両脇からサイドサポート機構が動作するので,手を伸ばしてリラックスするのがなかなか心地よいです。また,ランバーサポートを適切な位置にセットすると,長時間正しい姿勢を保てるような気がします。また,座面の前方が曲がるようになっており,奥行きを調整できるのも○。例によって,この手の高級(?)ワーキングチェアは可動部分が多いので,全容を把握するのに多少手間がかかるけど,以下の調整が可能です(フルオプション付きの場合)。

  • 座面奥行き
  • ロッキング(ストッパー付き)
  • ロッキング強弱
  • 座面上下調節
  • ランバーサポート
  • 肘掛け(高さ,左右位置,前後位置,回転角度)

スピーナチェアと比較した場合の弱点としては,生地がファブリックなので夏場蒸れそう&汚れそうな点と,座面のスペアパーツが売られていないので,自分で交換ができなさそうといった点でしょーか。また,任意の角度でのロッキング固定機能はあるものの,スピーナのような傾斜角調整機能(この角度までは倒れる)はなさそうでした。あと,ヘッドレストも固定なようです(スピーナは前後にある程度倒れる)。逆に,背面にスリットがない分掃除がしやすい点や,前述のリクライニング角度の大きさと肘掛けの前後移動が可能な点は,フリップフラップチェアのメリットではないかな,と。

比較までに,スピーナチェアの写真と,フリップフラップチェアと並べた写真を下に載せますね(だいぶんくたびれてますが^ ^;)。

ちなみに,スピーナチェアも通常の角度では問題なく使えるので,そのまま実家送りになりましたとさ(笑)。

鉄印帳を求めて甘木鉄道へ

第三セクター鉄道版御朱印帳こと「鉄印帳」なるものが数量限定で発売されたと聞き,福岡市内からだと最寄りになると思われる甘木鉄道の甘木駅まで買いに行ってきました。

往路は西鉄電車を使って,宮の陣→甘木へと移動。

西鉄の甘木駅から甘木鉄道の甘木駅までは徒歩数分。

7月11日時点ではまだ在庫があるとのことで,1冊2,200円で購入し,300円の記帳料を払って「御鉄印」(?)をいただく。
※鉄印帳はいったん売り切れたものの,その後増刷されたそうです。現在も在庫があるかは不明(2020/12/31現在)。

甘木鉄道は2007年に一度訪れたことがありました。車両を眺めながら,復路は甘木鉄道で基山まで乗車し,帰路へ。

「オクトパストラベラー」プレイ後の雑感

2018年にNintendo Switch向けタイトルとして発売されたJPRG「オクトパストラベラー」を昨年一年かけてプレイし,ようやくクリアしたので感想やら雑感をつらつらと書き連ねます(笑)。

オクトパストラベラーは,「オルステラ」という大陸を舞台に,年齢も背景も異なる男女8人(男4人,女4人)が,それぞれの目的を成すための旅を続けるという設定で,任意のキャラクターを選択してゲームを開始します。ゲームは各キャラことも4章構成で,1人旅を続けてもいいし,途中で仲間を見つけて最大4人のグループで進めることも可能です。新しいキャラを加えると,まずはその人物の第1章をプレイするので,最初に選択したキャラが誰であっても,全メンバーの全ストーリーを追っかけられるため,周回プレイは不要。また,ゲーム自体に明示的な終幕というのが存在せず,最初に選択したキャラの第4章をクリアすればスタッフロールは流れるものの,その後もキャラを入れ替えて,残りのストーリーや多数用意されているサブストーリーを続けられるようになっています。

ストーリーはといえば,自分探しの旅であったり,親の敵を討つ旅であったり,稀覯書を捜す旅であったりと,キャラによって目的も行き先もバラバラで,物語のトーン(重さ)にも硬軟の差があるものの,基本的に複数のキャラ間の物語が干渉しないような構成になっています。そのため,どのキャラで進めてもハナシの矛盾は生じないのですが,人によっては若干淡泊に感じてしまうかも。

グラフィックは,フルHDながらキャラも背景もドット画で描かれており,古き良きSFC時代のRPGを彷彿とさせます。ただし,フィールドは被写体深度を浅くして箱庭風の雰囲気で表現されており,玉ボケやレンズフレアといった光学的表現や波紋,水の流れ,陽ざしや炎の表現,雪の降る様子,さらにはバトルなどにも“Unreal Engine”によるエフェクトが効果的に使われているため,2D風ながら全体的に古さを感じさせない画面設計がされていました。また,光源が南西にある想定で影が付いているようでしたが,フィールドを移動する度にオブジェクトに応じて影の付き方が変わったり奥行きのあるような表現が多々見られたことから,おそらくフィールドは3Dでモデリングした上で,ドット画のテクスチャーを貼り付け,カメラの移動方向を固定しているのではないかと思います。それゆえに,メーカーもこのグラフィックス表現を「HD-2D」という名前で呼んでいるのでしょう。

バトルシステムは,昔ながらのサイドビューのコマンド入力式ですが,ブーストとシールドという概念が取り入れられており,ターン毎に「ブーストポイント」を溜めて連続攻撃や強力な技を開放しつつ,敵の弱点を突いてシールドポイントを削いで「ブレイク」という攻撃不能の状態に持っていきながら撃破するという戦略的なプレイが求められます。特にボスは割とHPが高めに設定されているため,いかにブレイク状態にしてからブーストポイントを投入して高火力の攻撃をするかがキモになりますね。また,敵味方ともにドット画ながら丁寧に描き込まれており,さらに美麗かつストレスにならない長さのバトルエフェクトが華を添えてくれます。ブレイクした後に大技が決まったら,なかなか気持ちいいですね。

ユーザーインターフェイスは,今風の洗練されたメニュー構成になっています。ワールドマップのデザインもオシャレで,十字キーでもアナログスティックでも違和感のない操作感でしたが,バトル中に表示されるバフ・デバフの種類が多く,アイコンをパッと見ただけでは,どれが何の効果を指しているのか分かりにくいことはありましたね。あとは,アイテムのスクロール時に,アナログスティックでは止めたい位置になかなか止まらなかったことも(私だけ??)。チュートリアルも適切で,プレイヤーの成長曲線によく配慮されていると思います。

音楽は,「素晴らしい」の一言。本作の作曲家(西木康智氏)はこれまで知らなかったのですが,各キャラのテーマ,バトル,フィールド,舞台の緩急に応じた曲すべてが珠玉の出来映えでした。最近のゲーム音楽は,映画ライクというのか,場合によっては環境音楽みたいになってしまい,単独では聴く気にならないものも多いのですが,本作の音楽は古き良き(SFC時代の)JPRGを現代風に再定義した趣の曲調で構成されており,サントラを買っていまも聴いています。曲名も「バトル1」とか「ボスバトル2」とか直球だし(笑)。でも,さすがに時代が進んだからか,ほとんどの曲がサンプリング音源ではなく生録みたいです。

…というわけで,全体の感想はこんなところで,あとはよかった点・今後の作品で見直してほしい点を,思いつくままに以下箇条書きで記します。

よかった点

  • ドット画PRGをHD-2Dという技術で現代に甦らせた点は偉大。ただ,最初目が慣れるまでは(画面の大きな)テレビモードではドット感が強かったため,キャラは縦横倍密度のRetine風に描画できないかな,とも
  • (繰り返しになりますが)単独でも聞き応えのあるBGMの数々と良好なSE
  • メインストーリー終了後も続くサブストーリーの数々と,裏ボスといったやりこみ要素(サブストーリーはテーブルトークRPG的な印象あり)
  • 各キャラの章を進めても回収できないサブイベントがほとんどない点
  • メインキャラクターのつかず離れずの距離感と特徴のあるストーリー。自由度のあるゲーム進行(ただし,フリーシナリオではなく,一巡ですべてのストーリーが完了)
  • 忙しい現代人に優しい各章の探索ボリューム(1ダンジョン1〜1.5時間ぐらいでクリア可能)

今後の作品で見直してほしい点

  • 一部のフィールド(森など)で画面の前面に覆い被さるオブジェクトが大きく,地形が見づらかったことも。Switchのホームボタンで一度画面を切り替えて元に戻ると最前面のオブジェクトが消えることに気づいたので,時折ゲーム画面→ホーム画面→ゲーム画面と戻って,フィールド探索したことも
  • 起動時のロゴが多く(4種類),またスタートボタン(Switchでは『+』ボタンというのかな)でもスキップできず,ゲーム開始まで20秒ぐらい待たされるのがちょっとストレス
    (…と思ったものの,調べたところ,裏でゲームエンジンを起動しているらしく,純粋に立ち上げに時間がかかっている様子。仕方ナイのかな)
  • ボイスはミドルウェアにCRIWAREが使われているようで,音質も声優の技量も良好だったものの,フルボイスではなかったのがちょっと残念。メッセージが多いので仕方ない面はあるものの,シーンによってはボイス付きだったのが途中から無くなったり,その逆もあったため,Aボタン連打でうっかりボイスを聞き逃してしまったことも
  • ゲーム内進行で,特定のキャラがいないと開けられない宝箱があるのが,微妙にストレス。そのため,宝箱コンプには常時特定キャラを加えておく必要があり,メンバー構成に若干の縛りが生じました
  • 敵キャラはもう少しアニメーションしてもいいかな,とも。思い出補正が入っている可能性も大ですが,SFC末期のタイトル「ルドラの秘宝」の方が,バトルシーンの「ヌルヌル動く感」があったような気がします(※バトルエフェクトの派手さは本作の方が圧倒的に上ですが)
  • (個人的な好みというか希望)1日の時間進行をゲーム内に取り入れてほしいかな,と。夕暮れ時のよう雰囲気の街もありましたが,朝・昼・晩でイベントが変わるような設計だけと,より探索方面の深みがでるかも
  • (個人的な好みというか希望)自由度とのバーターにはなりますが,キャラ間を横断するストーリー展開や恋愛要素がもう少しあってもよかったかな,とも(「パーティチャット」という演出で日常会話を垣間見れるようにはなっていますが)
  • 本質的な部分ではないですが,伏線が一部回収されていないような気が…
  • 「セシリーその後」を見たかった(笑)

おまけ

本作について,開発関係者がいろいろな情報公開を行っているのも好感度大ですね(以下関連リンク)。現代のゲームコンソールで動くタイトルなので,ある意味ハード側のリソースは意識せず,「富豪的プログラミング」的に作られたのかと思いきや,チューニングしても起動に時間がかかったり,意外とメモリ管理に苦労していたりと,いくら性能が上がってもいつの時代も同じような悩みが(苦笑)。